マクラーレンのデザインに潜む機能美と独創性そして人間工学 (1/2ページ)

マクラーレンのデザインに潜む機能美と独創性そして人間工学

 最終回は、マクラーレン675LTのプロジェクトマネージャーのマーク・ゲイトン氏とチーフデザイナーのロバート・メルヴィル氏が来日したのを機に、彼らの話をもとに、マクラーレンが考えるクルマ作りについて解説してみよう。675LT1

■パッケージはヒップポイントが重要

「クルマのパッケージングをまとめるのに、最も重要なことはヒップポイントだ」と強調するマーク・ゲイドンさん。まずはこの位置を決定させることから、クルマ全体のデザインが始まるのだ。マークゲイドンそしてまた、「マクラーレンのドライビングでは、クルマがどの方向に向かっているのかを明確に感じることが必要だ」という。

 そのために、ドライバーズシートから見てフェンダーの盛り上がりの頂点の真下にタイヤの中央が位置するようにデザイン。タイヤの位置を把握させるようにしているのだ。

 もうひとつ重要なことはエルゴノミクス(=人間工学)だとゲイドンさん。例えば「ステアリングと肩の高さは同じでなければならず、バランスよく腕を使えるように、肘に余裕を持たせたドライビングスタイルを取れなければならない。そのためにはステアリングの径も最適化している」と説明する。

 ちなみにストレートアームのドライビングスタイルは、フォーミュラ1のスタイルであり、通常はありえないと笑う。さらにヒューマンマシーンインターフェイスに関しても相当時間をかけて開発し、「コントロール類がどこにあるかということを、センターコンソール周りを含め、目と肩、手、ハンドルの位置、何が見えるかを突き詰めている」とした。

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 これらを踏まえたうえで、クルマのキャラクターにあわせセッティングを変えている。
例えば「サーキット専用モデルであれば、快適性を下げても、サイドサポートや、より完璧なドライビングポジションが必要となるだろう。しかし、ロードカーであれば、より快適性を向上させるためにバックレストの調整代や、着座位置も少し高められるだろう」とゲイドンさんは言う。

 乗降性に関しても同様。スポーツシリーズではサイドシルが前方に行くにしたがって下がり、乗り降りをしやすくしている。それに対し、サーキットメインのクルマであれば水平か、あるいは剛性を高めるために高くなる傾向にあるなど、その目的に応じて変更されている。

 最後にゲイドンさんはマクラーレンの快適性テストについて
「理論上大きな問題は解決できても、最終的には実際に試作モデルを作り、ドライブをして人間が判断している。例えば、スペインのサーキットでテストをした後、イギリスまで1200kmをドライブし、シートの快適性やエルゴノミクスを主観的に判断しているのだ」と語ってくれた。

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